令和7年に木曽谷国有林(長野県木曽郡上松町)の祭場で行われた御杣始祭は、御杣山の事始めの神事、いわゆる斧入式ですが、御神木を伐り出すお祭りでもあります。
この御神木が愛知県内に入ります。
昨日6月5日には裏木曽御用材伐採式が裏木曽国有林(岐阜県中津川市加子母)で行われました。
用材を伐り出す山を御杣山といいます。
鎌倉時代まで皇大神宮(内宮)は神路山、豊受大神宮(外宮)は高倉山が御杣山でしたが、次第に良材の確保が困難となり、第18回皇大神宮式年遷宮以降は志摩国や美濃国に移されました。
康永2年(1343)の第25回皇大神宮式年遷宮の折には、三河国設楽山が選定されたこともあります。
宝永6年(1709)第47回式年遷宮以降はもっぱら木曽の山から伐り出されてきました。
戦後、木曽国有林に御治定を仰ぎ、国に払い下げ申請して購入しています。
一方で、神宮宮域林では将来の遷宮に備えて、大正の末から、200年計画で植林をし、御造営用材の育成に努めています。