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信州の山遭難は、過去最高

長野県警山岳安全対策課などがまとめた「令和5年中 山岳遭難統計」によると、2023年に長野県内で発生した山岳遭難は、件数が前年比18件増の302件、遭難者数が同22人増の332人となり過去最多となり、大変残念な記録となりました。 これから冬山シーズンです、くれぐれもご注意下さい。


【長野県内遭難者が多い5座、安全登山のポイント】
長野県警「信州山カード」

 〈槍ヶ岳〉3180メートル
 代表的な槍沢ルートでは、疲労や低体温症などの遭難が多発している。
 北穂高岳経由の大キレットは上級者向けコースで、鎖やはしごが連続し、転落・滑落による重大な遭難が多発している。長い稜線(りょうせん)で、防風・防寒対策が必須。また、東鎌尾根も鎖やはしごが連続する。
 バリエーションルートの北鎌尾根への、単独、初級者の立ち入りは控える。

 〈赤岳〉2899メートル
 傾斜が急な地蔵尾根は、はしごや鎖場が続き、滑落や落石に十分注意する。また、稜線上はナイフリッジになっている箇所が複数あり、強風でバランスを崩さないよう注意する。
 文三郎尾根は鎖場が続き、下山中の滑落が発生している。
 北沢・南沢の比較的平坦な登山道でも下山中に転倒するケースが多く、登山口に下山するまで気を抜かない。

 〈白馬岳〉標高2932メートル
 大雪渓ルートは夏季でも雪渓が残り、ピッケル、アイゼンが必要。雪渓上を通過する際は、落石や雪上スリップ、雪の踏み抜きに注意する。
 栂池ルートは、行程が長いので登山計画をしっかり立てる。
 白馬大池から白馬岳までは水場がなく、飲料水を十分に確保し、こまめに水分をとり、脱水や熱中症を予防する。小蓮華山との間では、悪天候時の低体温症にも注意する。
 *白馬大雪渓は25日現在、多数のクレバス(割れ目)が発生しており通行止め。

 〈前穂高岳〉標高3090メートル
 上高地から山頂まで標高差1500メートルの重太郎新道は、傾斜の急なルート。途中、鎖場やはしご場が連続する岩稜(がんりょう)帯を通過するが、危険な場所を通過した後、気が緩み滑落や転倒する事例が多発。また、急な登りが長く続き、疲労による遭難も発生している。
 北尾根は岩登りやロープワーク技術の必要なバリエーションルート。単独、初心者の立ち入りは控える。

 〈唐松岳〉2696メートル
 八方池山荘までゴンドラ・リフトで登れるため、軽装で訪れる登山者もいる。毎年、木道上での転落・滑落が多発。
 また、八方池から唐松岳頂上山荘までは山小屋がなく、不十分な装備や体力不足による行動不能や熱中症などの遭難が発生している。水分補給や適度な休憩が必要。
 八方尾根を下る際は、狭い稜線を通過する場所もあり、気を抜かず、最後まで足下をしっかり見て歩く。

以上、長野県警察発行「信州の山ガイド」から。

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