長野県佐久市出身の漫画原作者・武論尊(ぶろんそん)(本名・岡村善行)さんが、手がけた漫画「北斗の拳」の連載開始40周年を記念して、佐久市で9月18日にトークイベントが開かれました。
これを記念する3大プロジェクトとして、完全新作のシリーズアニメの制作、漫画を手掛ける原哲夫の新画を含む原画展の開催と全国巡回も開催します。
「北斗の拳」は、核戦争後の暴力が支配する世界を舞台に、主人公のケンシロウとライバルたちの戦いと友情を描いた漫画で、9月に連載開始から40周年を迎えました。
長野県佐久平交流センターで開かれた記念イベントでは、長野県の内外から集まったおよそ300人のファンを前に、武論尊さんと漫画編集者の持田修一さんが北斗の拳の誕生秘話を語りました。
武論尊さんは、作画担当の原哲夫さんが作った読み切りの漫画を週刊連載することになったため、急きょ、原作者を探すことになり、自分に白羽の矢が立ったことを明かしました。先日、NHKでも武論尊さんと、作画担当の原哲夫さんが、紹介されていました。
武論尊さんは、長野県南佐久郡野沢町(現・佐久市)出身です。農家の末っ子で佐久市立野沢中学校を卒業、15歳で自衛隊熊谷基地の航空自衛隊に入隊しています。
自衛隊時代は、三等空曹として福岡県と佐賀県の境にある航空自衛隊脊振山レーダー基地に勤務し、よど号事件発生時にもレーダーの運用を行っていたそうです。
1972年に『週刊少年ジャンプ』で原作者デビューしました。
1983年には、編集者の堀江信彦に請われて、『北斗の拳』の原作を担当して大ヒット作となりました。
2017年7月20日、「進学が困難な若者に、勉学に励んで夢をかなえてほしい」と、出身地の佐久市に4億円を寄付しています。
これを原資に佐久市は奨学基金を設立して、漫画家や漫画原作者を目指す若者らを対象とする「武論尊100時間漫画塾」が開講されています。
今後は、新装版コミックス全18巻の刊行も企画されています。
また、1983年9月13日に漫画「北斗の拳」の連載が始まったことにちなんで、9月13日は記念日の認定などを行っている「日本記念日協会」によって「北斗の拳の日」に登録されています。