南信州・飯田の飯田市美術博物館で特別展「美術と風土アーティストが触れた伊那谷展」(4月16日まで)を見てきました。アーティスト20人による巡回展となっており、このあと4月29日から6月4日まで長野県辰野町の辰野美術館(観覧料一般500円)で開催されます。
この展示会は、近畿・東海・伊那谷で活躍している美術館の学芸員や画廊主で実行委員会を構成。造形作家20人を選び、その作家たちに実際に伊那谷を訪れてもらい、そこでインスピレーションを得て制作した作品を中心に展示しています。
出展作家のジャンルは、日本画家4名、洋画家7名、彫刻家1名、版画家2名、工芸家2名、インスタレーション作家4名です。このうち伊那谷と名古屋に関係したアーティストを紹介します。
山田純嗣(やまだ・じゅんじ)さんは飯田市生まれで名古屋市在住。作品は、飯田出身の日本画家菱田春草の「菊慈童」と「黒き猫」をモチーフにした独自技法による版画です。春草の写実的な絵画が彫刻のように立体的に表現されています。
蜂谷充志(はちや・みつし)さんは、飯田市出身で愛知県立芸大大学院修了。作品について飯田市美術博物館の槇村洋介副館長補佐は「今回のインスタレーションは、伊那谷で採集した樹木を燃やした灰を利用するという。(中略)蜂谷のインスタレーションは、かすかな美の記憶として心の片隅に残るだろう」と解説しています。
実行委員長の原田平作大阪大学名誉教授は、公益財団法人「きょうと視覚文化振興財団」(京都府宇治市)の理事長です。同財団設立は、洋画家須田国太郎画伯の遺族でJR東海の須田寛顧問がから日本の美術振興に生かしてほしいと託されたことがきっかけでした。「須田国太郎美術振興会」の設立を呼びかけ、2019年11月に「きょうと視覚文化振興財団」(京都府宇治市)として発足。2022年2月14日に公益財団法人の認定を得ています。
原田名誉教授の父親は飯田出身ということもあり、以前から伊那谷をテーマにした企画展を構想していたと須田顧問から伺っていました。今回実現した展覧会で、多種多様な作品を通して、伊那谷から望むアルプスや天竜川、人々の営みのすばらしさをあらためて感じました。
巡回展は大阪府豊中市、京都市を経て、愛知県碧南市の藤井達吉現代美術館(9月5日から10月9日)が最終です。
特別展開催します
「美術と風土ーアーティストが触れた伊那谷展」
会期:4月29日(土)~6月4日(日)
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