伊那市長谷地区で新種の甲虫が見つかり、「ナナセキハムシ」と名付けられた。植物を食べるハムシの仲間で、近縁種に類を見ない緑銅色と羽の細かな凹凸が特徴。光によって色が変わる美しい見た目から、地元に伝わる大蛇の伝説のうろこにちなんで命名されました。
ナナセキハムシは体長約八ミリ。砂利交じりの河原にすみ、ヨモギの一種「カワラヨモギ」を食草とする。初秋に成虫になり、二年ほど生きるとみられる。属するヨモギハムシ属は、光沢を帯びた美しい見た目が昆虫愛好家に人気です。
長谷地区には「うろこが七色に輝く大蛇を日本武尊(やまとたけるのみこと)が退治した際、大蛇の血潮で河原が染まった場所が『赤河原』という地名の元になり、飛び散ったうろこは『三峰川(みぶがわ)の七石』という色とりどりの石になった」との伝説があります。
三峰川は南アルプスの仙丈ケ岳(3033m)から流れ、流程60キロメートルをもって、伊那市役所付近で天竜川に合流しています。仙丈ケ岳からはじまって南に約20キロメートル、西に数キロメートル、今度は北に、そしてふたたび西に10数キロメートルと、大きな蛇行・転向をしながら、標高差2000メートルをもって流れる急流河川です。
三峰川は針葉樹林のなかをとうとうと流れています。遡行するには最低でも1泊2日は必要です。三峰川がいかに広範な亜高山帯を流れているかを示しています。こんな川はそうはないでしょう。高山の小鳥、メボソムシクイ、コマドリ、ミソサザイの清澄な声と、やさしい調べの水音が心地よい「森の川」の三峰川は、もうひとつ高山から贈られる高山植物でにぎわう「花の川」でもあるのです。
〒441-3147
豊橋市大岩町字大穴1-238(豊橋総合動植物公園内)
豊橋市自然史博物館
電話0532-41-4747(豊橋市自然史博物館:代表)
E-mail: hasegawa-michi@msi.biglobe.ne.jp