ドクターイエローを見ると幸せになれるという都市伝説があります。これはドクターイエロー自体が幸せを意味する黄色を身にまとっていること、毎日運転するわけではないこと、運転時刻が公表されていないことなどにあります。
ドクターイエローが必ず幸せをもたらしてくれるかは個人の判断によるところが大きいと思われますが、ドクターイエローに会うのは難しいというのは事実です。たまたま会えたらラッキーと思っていただいて間違いないでしょう。
オンライン予約「EXサービス」の会員・登録者が1000万人を突破したことを記念するキャンペーンの一環として、JR東海が準備しています。
鉄道ファンなどの間で「見ると幸せになれる」といわれるドクターイエロー。これまで停車中の車内を見学するツアーはあったが、走行中の車内に乗れる機会はありません。
ドクターイエローは、JR東海とJR西日本が1編成ずつ所有。JR東海の編成は現在3代目で、700系新幹線がベース。10日に1度ほどの頻度で通常ダイヤの合間を縫って東京~博多間を往復し、架線や線路の状態を検査しています。
この車両の正式名は新幹線電気軌道総合試験車で、「新幹線のお医者さん」とも呼ばれます。
線路のゆがみや架線のずれなどがないか、実際に線路を走りながら確認。7両編成で最高時速は270キロに達します。10日に1回ほどのペースで、東京—博多間を往復。運行ダイヤは非公開で、「幻の新幹線」とも言われます。
ドクターイエローはどのような時刻で検測するのでしょうか。鉄道時刻表ニュース・時刻表の達人で調べた2012年3月以降の過去10年間のデータから分析します。
ドクターイエローは、東海道新幹線・山陽新幹線の東京~博多間を運転しています。旅客列車「のぞみ」であれば1日に東京~博多間を1日1往復半する列車もありますが、ドクターイエローは東京→博多の運転で1日、博多→東京の運転で1日、1往復するだけで合計2日使います。
また検測方法にも種類があります。1つは「のぞみ検測」と呼ばれ、「のぞみ」のように速く運転し「のぞみ」しか停まらないような駅にしか停車しません。月3往復(年36往復)運転しています。
もう1つは「こだま検測」です。「のぞみ検測」では途中駅は本線(通過線)を通るため、「こだま」のような途中駅に停車する列車が使用する副本線を検測できません。これを補うために実施されているのが「こだま検測」です。
「こだま検測」は「のぞみ検測」と異なり、高速で列車が通過しない駅付近での検測を目的に行われます。そのため「のぞみ検測」より検測する回数は少なく、年8往復しか運転しません。
ドクターイエロー「のぞみ検測」はどのような時刻で運転しているのでしょうか。
「のぞみ検測」は概ね臨時「のぞみ」の運転時刻に沿って運転されます。運転時刻としては、東京→新大阪間は「のぞみ337号」、新大阪→広島間は「のぞみ185号」の概ね5分後、博多→新大阪間は「のぞみ168号」、新大阪→東京間は「のぞみ388号」と同じ運転時刻となっています。このことから、「のぞみ検測」の時刻は比較的正確に再現することが可能です。
豊橋 | 13:03頃 | 通過 |
こだま719号追い越し | ||
三河安城 | 13:15頃 | 通過 |
名古屋 | 13:25着 | 停車 |
13:26発 | ||
岐阜羽島 | 13:33頃 | 通過 |
ひかり641号追い越し |
ひかり656号追い越し | ||
名古屋 | 16:20着 | 停車 |
16:21発 | ||
三河安城 | 16:30頃 | 通過 |
豊橋 | 16:39頃 | 通過 |
こだま736号追い越し | ||
浜松 | 16:47頃 | 通過 |
「のぞみ検測」は月3往復、「こだま検測」は年8往復の運転となっています。このことから、1年で運転する日は44往復88日しかなく、1年365日あれば24.1%しか運転されません。つまりドクターイエローに遭遇できるのは、平均して4日に1度です。
4日に1度会えると聞くとまあ会えるじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、逆に4日に3日は一切運転されないこと、1日1本しか運転しないことから1度通り過ぎるとその場所には当日中には戻らないことから、会えるのは都市鉄道で1編成のみ導入した新型車両を見るよりも困難です。
(注)個人情報の一部記事を画像処理しています。