長野県の一部地域ではごみを捨てる際に袋に名前を書かなければいけません。
ごみステーションは地区で管理しています。
名前が書かれていて誰が出したかわかるので、もし変な物が混ざっていたら当番の人からその家に連絡しています。
そうすることが当たり前になっています。
少なくとも20年以上前から指定のごみ袋に名前を求めています。
名前が書かれてあれば、自身のごみに責任を持ってもらうことができます。
また、分別で勘違いしたり間違いがあったりした時に誰が出したかわかれば、その人に伝えることができ、やり直してもらうことができます。
長野県内77ある自治体のうち、71もの市町村がごみ袋に名前を求めていたのです。
しかも、ごみ袋に名前を求めているとした71のうち、約4割にあたる27の市町村は、「名前が書かれていなければ、分別されていても回収しない」ということです。
塩尻市廃棄物の処理及び清掃に関する条例施行規則には「指定袋には、搬入者の氏名または搬入者が識別できる表示をすること」と書かれています。
記名がない場合は回収しません。袋に注意のシールを貼って「記名をしていただきたい」という形にしています。
ごみ出しの責任を持ってもらうことでごみの減量につながっているし、実際のところ塩尻市のごみの量は長野県の市の中で5番目に少なくなっています。
全国でも家庭ごみを有料化している自治体の指定袋は記名欄があるケースがあります。
しかし、長野県ほど「記名制度」をきちんと運用している県はないのではないでしょうか。
真面目な県民性、自治会組織がしっかりしていること、人口規模も小さくて顔の見える範囲での集落形成、住民の定着率が高い。そういう自治体では「記名制度」は導入しやすいです。
環境省の調査で、長野県は1人が1日あたりに出すごみの量が全国で2番目に少なかったということです(令和2年度)。