長野県木曽町開田高原西野 841
1979年と2014年に大規模な噴火をして火山災害をもたらせてきました。
御嶽山は長野県と岐阜県の両県では、ともに県立自然公園に指定されておりますが、標高3,000m以上の名山が国立・国定公園でないのは御嶽山だけです。
御嶽山の安全な利用のためには、噴火の際のシェルター(避難所)の設置など、国による施設の整備も必要です。
シンポジウムでは「御嶽山の価値と未来−国立・国定公園に向けて」と題し、長野県木曽町開田中学校で開かれました。
環境省が国定公園の新規指定候補に選んだ長野、岐阜県境の御嶽山について、実現に向けて保護や利用の在り方などを考えました。
御嶽山は標高三千メートル以上の山で唯一、国立・国定公園に指定されておらず、両県でそれぞれの県立公園。古くからの信仰の山です。
ライチョウの生息地で多様な植物が見られ、学術的価値が高く、日本自然保護協会などは二月に国と両県に国立・国定公園への昇格を要望していました。
シンポジウムは要望を受け、同協会と麓の木曽町と王滝村が、地元の機運を盛り上げようと開催。
パネル討論で町環境協議会住民運動部会長は、開田地区でかつて盛んに飼育された木曽馬の餌を得るための草原の伝統的管理が、多様な生物を育んできたことを紹介。
飛騨高山ふるさとを歩こう会(岐阜県高山市)の会長は、自然の多様性を強調し、環境省国立公園課長は「信仰が根付く文化は海外での関心が高く、発信力がある」と指摘しました。
皇学館大学教授による「日本の山岳信仰と御嶽の宗教文化」と題した基調講演もありました。
✖️✖️教と申しますと、なんとなく得体の知れない新興宗教と思われる方も多いようですが、御嶽教は山岳信仰、民間信仰として古くから親しまれ、教祖を持たず、選挙によって管長を選出する民主的な信仰団体であり、明治天皇より勅許を受けた教派神道であります。
今後は長野、岐阜両県が指定範囲、保護と利用の計画を関係自治体や地元住民、地権者と協議して取りまとめ、環境省に昇格の申し出をします。