長野県大町市の扇沢総合案内センターで14日、立山黒部アルペンルートで2018年まで運行したトロリーバスのお披露目と、センターの一角を改装した「トロバス記念館」プレオープンの式典があった。解体を免れ、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)により保存が決まった「最後の1台」を見ようと約100人が集まり、記念撮影などをして楽しんだ。
牛越徹市長らによる除幕の後、車内を開放。来場者は運転席に座って機器類を見たり、運転手の制服を着て記念撮影したりした。福島県会津坂下町の本間愛美さん(32)はCFで寄付。「3年ほど前にトロバスに乗って黒部ダムへ行った。保存されてうれしい」と話した。
関西電力の元社員で30年ほどトロバスを運転した大町市平の田辺一弘さん(71)は「最盛期は夜明け前に家を出て、臨時便を含めて夜暗くなるまで働いた」と懐かしんだ。
トロバスはセンターの外に展示し、30日まで見学できる。記念館とトロバスの見学は冬季閉館を経て来年4月15日に再開。記念館では運転席からの風景の映像などが見られる。
(信毎WEB版 2020年11月15日)
写真提供:信濃毎日新聞社