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中央アルプスにおけるライチョウの繁殖状況

2021年07月15日 中央アルプスにおけるライチョウの繁殖状況及びケージ保護実施状況について

 環境省信越自然環境事務所では、ライチョウが絶滅した中央アルプスにおいて、ライチョウの個体群復活事業を進めています。今般、中央アルプスで8家族計45羽の雛が確認されたのでお知らせします。また、これら8家族45羽のうち、7月10日までに5家族の雛計34羽及び母鳥について初期死亡を抑えるために中央アルプス高山帯に設置したケージにて保護を開始し、7月15日現在5家族31羽の雛及び母鳥について保護を行っているのでお知らせします。

 また大町市の大町山岳博物館は15日、国の特別天然記念物ニホンライチョウのひな一羽がかえったと発表しました。雌に抱卵させて自然にふ化させる自然繁殖の取り組みで、同館では23年ぶりに成功しました。

      中央アルプスにおける約50年ぶりのライチョウの自然繁殖の確認及びケージ保護の開始について 

 

環境省ではライチョウが絶滅した中央アルプスにおいて、ライチョウの個体群復活事業を進めています。今般、絶滅から約50年ぶりに自然繁殖により雛が誕生しました。孵化が確認されたのは3つの巣、孵化した雛の合計は20羽です。さらに、これら孵化した雛及び母鳥について、捕食者や低温から守り雛の初期死亡を抑えるために高山帯に設置したケージにて保護を開始したのでお知らせします。

 

1.事業概要とこれまでの成果  

環境省では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づき、文部科学省・農林水産省と共同で策定した「ライチョウ保護増殖事業計画」(平成24年1月)により、ライチョウの保護増殖事業を進めています。そのうち、平成30年に約50年ぶりにライチョウの雌1羽が確認された中央アルプス駒ヶ岳周辺において、「第二期ライチョウ保護増殖事業実施計画」(令和2年4月)及び「中央アルプスにおけるライチョウ野生復帰実施計画」(令和3年3月)に基づき、中央アルプスの個体群を復活させるための事業を進めています。

 昨年度事業により令和2年8月時点で20羽のライチョウの生息が確認されていましたが、本年度4月末から開始した生存個体確認調査により、将棋しょうぎ頭山がしらやまから空木うつぎ岳だけまでの区域に17個体(足輪確認13個体、痕跡から推定4個体)が生存しており、このうち14個体7つがい(個体視認5つがい、痕跡から推定2つがい)が繁殖している可能性が明らかとなりました。

 また、6月13日までに個体を視認できた5つがいのうち3つのつがいについては巣を確認できました。この5つがいのうち、ケージ保護の対象となる駒ヶ岳周辺で繁殖したつがいは4つがい(うち2つがいは巣が確認されたつがい)でした。

 

2.生息状況及び事業の実施状況について

 令和3年6月26日より、巣が発見できていないつがいの巣の捜索、雛の孵化確認、ケージ保護の準備及びニホンザルの追い払いを開始しました。その結果、ケージ保護対象となる4つがいのうち発見できていなかった2つがいの巣を新たに発見することができ、4つがいすべての巣を確認できました。一方で、ケージ保護対象である4つのつがいのうち1つが一夫二妻であることが明らかとなり、駒ケ岳周辺で繁殖している個体は雄4羽、雌5羽で、つがい数は5つがいであることが明らかとなりました。一夫二妻のつがいのもう一つの巣については捜索を継続しています。今後の調査結果によっては、5家族をケージ保護する可能性があります。

 

 雛の孵化については、3つの巣で確認し、孵化した雛数の合計は20羽です。中央アルプスでライチョウが最後に目撃されたのは1969年であることから、中央アルプスでの自然繁殖は約50年ぶりと言えます。これら3家族のうちの2家族について、捕食者や低温から守り雛の初期死亡を抑えるためケージ保護を開始しました。

ニホンザルの追い払いについては、駒ケ岳周辺のライチョウのなわばりがあるエリアを中心に定期的に巡視を行い、ニホンザルの群れが現れた場合には追い払いを実施しています。7月5日までに1度ライチョウのなわばりにニホンザルが現れたため追い払いを行いました。

 

(参考)ケージ保護を開始した家族の詳細

雛が確認された1つの巣は、平成30年8月に駒ヶ岳に飛来した雌個体と昨年度乗鞍岳から移送した雄個体のつがいの巣です。平成30年に飛来した雌は、飛来後初めて雄とつがいになり受精卵の産卵を行いました。この巣は6月11日に発見され、この時すでに抱卵に入っており、卵の数は7卵でした。7月1日に7卵すべてが孵化していることを確認し、孵化した7羽の雛と雌親をその日のうちに固定ケージに移送するための小型移動式ケージに収容しました。翌7月2日には頂上山荘周辺に設置した固定ケージに収容し、ケージ保護を開始しました。

 雛が確認されたもう1つの巣は、昨年度乗鞍岳から移送した個体同士のつがいの巣です。この巣は6月12日に巣を発見され、この時すでに抱卵に入っており、卵の数は7卵でした。7月4日にこの7卵すべてが孵化していることを確認し、孵化した7羽の雛と雌親をその日のうちに固定ケージに移送するための小型移動式ケージに収容しました。翌7月5日は悪天候のため頂上山荘周辺に設置した固定ケージへの誘導はできていません。この他に1つの巣でも7月4日に雛が孵化していることが確認されていますが、孵化直後であることに加え悪天候により雛が巣を離れていたいため、雛数の確認及びケージ保護は開始していません。

 

3.今後の予定について 

今後もケージ保護対象としているつがいについて調査を継続し、速やかにケージ保護を開始する予定です。ケージ保護は8月上旬まで継続する予定です。

 また、ニホンザルの追い払いをケージ保護実施期間中は継続して実施する予定です。また、ライチョウの捕食者であるテン等を捕獲するための罠を設置するなどの捕食者対策についても準備ができ次第開始します。

 ケージ保護期間後の日本動物園水族館協会加盟動物園への野生家族の導入については、今後の繁殖状況(孵化した家族数、雛数)やケージ保護した家族の人工飼料への慣れの状況など、総合的な状況を踏まえ決定します。家族を移送できると判断した場合は、8月上旬にヘリコプター及び自動車を用いて移送を実施する予定です。

 なお、今後も中央アルプスでライチョウを目撃した場合は、静かに観察していただくとともに、中央アルプスロープウェーしらび平、千畳敷両駅や宝剣山荘に設置したライチョウ観察情報収集カードに記入いただくか、または、目撃日時、場所、標識足輪等の情報を下記の連絡先までお寄せください。

 

 

■ 問い合わせ先

環境省信越自然環境事務所 野生生物課

    生息地保護連携専門官  

TEL:026-231-6573 FAX:026-235-1226  

E-Mail : ATSUSHI_KOBAYASHI@env.go.jp 

(〒380-0846 長野市旭町1108 長野第一合同庁舎3階)

関連資料

ライチョウ観察ルールハンドブック

  一般社団法人 日本アルプスガイドセンター

  写真提供:環境省信越自然環境事務所

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