松本城天守 しばしの静寂 新型肺炎で
あすから閉鎖
黒門前に立てられた松本城天守の公開中止を伝える看板=3日午前10時35分、松本市の松本城公園
新型コロナウイルス感染者が県松本保健所管内で確認されたことを受け、松本市は3日、感染拡大防止のため、国宝松本城天守を4日から17日まで閉鎖すると決めた。国宝旧開智学校校舎のほか、博物館や図書館なども同じ期間、閉館する。
市新型コロナウイルス感染症対策本部会議(本部長・菅谷昭市長)で、天守は急な階段の手すりに多くの人が触れることなどから、感染リスクがあるとして閉鎖を決めた。本丸庭園は無料で入れる。3日午前、天守の公開中止を知らせる看板を松本城公園内に設置し、周知を図った。
この日、大阪市の会社員(33)はマスク姿で天守を見学。「各地で施設の閉鎖が相次いでいて閉鎖は仕方ない。施設を利用した後は出入り口で消毒液を使うようにしている」と話した。
博物館は市立博物館など15館、図書館は中央図書館と分館の計11館を閉館する。市美術館も同期間の閉館に向けて調整中だ。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、長野市の善光寺は、本堂での毎朝の法要「お朝事(あさじ)」の行き帰りに大勧進貫主(かんす)、大本願上人らが参拝者に数珠を当てる「お数珠頂戴(ちょうだい)」の儀式を2月28日から取りやめている。このほか、境内に消毒液を置くなどの対策を講じている。寺事務局は「今後の状況次第では、戒壇巡りなどの中止の検討もあり得る」としている。
(信濃毎日新聞 WEB版 3月3日付)